【8月3日、E-CUP300に参戦。初めての耐久レースに挑戦!
 初心者の私に大胆な話を持ちかけたのはメカニックの川西さん。いつものメンバー(私の先生の成田さん、メカニックの川西さん、そして私)で美祢に練習に向かうフェリーでのある夕食の時、突然「8月に美祢で耐久レースがあるんですけど出ませんか?」との誘い。「レディースチームとして女性ドライバーと組んで成田さんに助っ人として一緒に走ってもらえば話題性もあるし、第一、ものすごく勉強になると思うんです。」成田さんの顔を見ると「GTI-CUPの練習としてとてもいいですよ。」との後押し。そんなわけで「費用がそれほどかからないのなら、夫に相談してやってみましょうか。」…「いいんじゃない」との夫のGOサインを得て準備が始まりました。言い出しっぺの川西さんは、経済的負担が極力軽くなるよう奔走して下さったみたいです。

 まず車!使用車輌はナンバー無しとのことで、GTI-CUPのチームメイト「まこちゃん」こと橋本コーポレーションの橋本真さんが、それで以前ユーロカップに出ていたという、とっても綺麗なレモンイエローのGOLFを貸して下さいました。初めて乗ったときには、何て体力の要る車だろう!ミッションも私のより固いし大丈夫かな…そして翌日は至るところ筋肉痛!これじゃいかん!というわけで、夫がマシンを買ってくれて筋トレも始めました。
 せっかくチームを組んで参加するレースなんだから、と成田さんのアイデアで揃いのT-シャツを作ることになり、成田さんの会社TENACITYのご縁で、フォーミュラエンジョイに参戦して好成績を修めている(株)壮栄社の下垣和也さんが、ご好意ですてきなT-シャツを作って下さいました。

 成田さんと私はこの機会に、として揃いのかっこいいレーシングスーツを作りました。準備は着々。 肝心のもう1人の女性ドライバーは、レース歴が長く私より少し若手のミセス飯塚美紀代。彼女とはFK4スクールで知り合い、とても気さくで明るいお人柄に惹かれた上、小柄なのによく食べよく飲む点で私と息投合、一緒にチームを組んだら楽しいかな、とお誘いしました。 一方川西さんは、実は私たちのチームの作業効率を考え、パートナーとしてもう1チーム結成して下さっていました。私たち3人のドライバーとメカニック川西さん、饗庭篤史さんの計5人では、レース中に発生するさまざまな作業に全く対応しきれなかったのです。相方チームは、ドライバーがチームメイトまこちゃん、ホンダプリモ営業の森本伸昭さん、お友達の石濱巧さん、そしてスタッフとして森本さんの奥様他心強い助っ人5名。


 レース前日に美祢サーキット入りし、少し練習。前回、TIサーキットでのレースで水分補給を怠って脱水症状を経験したため、今回はチームスタッフのために大量のアミノバイタル(アミノ酸飲料)を用意して皆でガブガブ飲みました。 夕方になりハプニング発生、川西さんが突然「積車を貸してください。」実は相方チームの車の調子が悪く、ユーロカップで縁ある広島の方の車を借りることになったようです。多少整備を要するGOLF。「明朝までには車を走れるようにして戻ります。」とのことでしたが、私たちは心配と期待との入り混じった心持で、川西さんと饗庭さんを送り出しました。

 8月3日。暑さを予感させるような朝!前夜は成田コーチに止められて大好きなアルコールもビール3杯だけ、温泉に入ってゆっくりし美紀代さんにレースについてアドバイスを頂きながら早めに休んだので、体調はバッチリ。川西さんたちもすでに広島から戻っていて、ピットでサーモンピンクのGOLFを最終調整していました。

 8時、ブリーフィング。ピット作業の細かいルール、ハンディーについてやスタート時の注意事項など説明を受けたのですが、とてもややこしく、GTI-CUPの時には経験しなかった熱い質問が飛び交いました。
続いて車検。車輌の車検はメカニックの方々が済ませて下さっていたので、ドライバーのみ、耐火装備のチェックを受けます。

 そして予選。もちろんエースドライバー成田剛志が出走。相方チームはまこちゃん。 車の性能により3クラスに分れていて我がチームの車は最も下のクラス。そんな中で成田さんは6位のグリッドを獲得。まこちゃんは11位。 2チームの監督川西さんが全員を招集。給油・タイム計測その他、作業分担、作業手順を打ち合わせ、いよいよ緊張ムード。私も何となく落ち着かず、早々とレーシングスーツに着替えシートに座ってみたり、トイレを済ませたり…。 オフィシャルの方々が各ピットに2人ずつ立ち始めました。なにやらものものしい感じ。ピット作業のルールが守られているか、監視のためでしょう。緊張は倍増!

 12時25分、さあ、いよいよ長く暑いレースの始まり!車輌をコースへ移動。グリッドに並びます。スタートドライバーは私。相方はまこちゃん。グリッドでスタートを待つ間、つい今しがたまで冷蔵庫で冷たく冷やしてあった走行中の水分補給用のアミノバイタルはすでにお湯になっていました。先が思いやられる…。私は前回のTIでスタートに失敗した苦い経験を踏まえ、スタート手順の他、注意するべきことをメモにして車内に貼っており、フォーメーションラップのスタート前、再確認。グリッドへは、チームメイト美紀代さんが私をリラックスさせるため激励に。

 3分前。スタッフがグリッドから退場。
 30秒前。エンジン始動。

 赤信号の消灯。5位グリッド(右横)の緑色のレビンがゆっくりと動き出し、私も合わせてスタート。ペースカーに従ってゆっくりと1周し、ペースカーがピットに入ると、速攻ペースが上がると思っていた私の予想に反し、最終コーナーは互いに牽制しあうかのようなペース。ストレートにさしかかるといきなりペースアップ、そしてスタートラインを通過し一気に1コーナーへ!成田コーチから皆に遅れず1コーナーに突っ込むように指導されていたので、周りを見ながら遅れまいと突っ込んでいきました。ここは大成功!

 一生懸命走りました。前方の車はすぐに遠のいていきましたが、後方の車もそんなに間近にいませんでした。耐久レースですから、車をもたせるためにペース配分を考えて運転しなければなりません。みんな、そんなにハイペースではなかったと思います。でも私にそんなことまで考える余裕はありませんでした。

 そもそもこのレース参戦の目的は、私の練習のため。私は私自身の全開で走りました。まこちゃんが私の後ろにぴったりくっ付いて後ろから押して援護してくれたので、私のベストタイムも出ました。成田先生の予選タイム1分48.6秒から僅か3秒落ちの1分51.9秒。やったぁ!!
 ちょうどそんな時、コントロールタワーの下にオレンジボールが出ていました。私はそれを2周目撃し3周目、それがPサインになっていました。ナンバーの提示は無かったけれどPサインは私が通過するとき私に確認するかのように提示されていました。
さっきのオレンジボールは私へのサイン?そしてとうとうピットストップの通告?失格になったらたいへん!1度ピットインしてみよう…

 ピットレーンを徐行しながらスタッフと私がチームのピットを探したのですが、スタッフも出て待っていないし、何番のピットだったか忘れちゃった!!他のチームのスタッフに怪訝な顔で見られながら進んでいくと、大慌てでスタッフの山橋さんが走ってきて、
「そのままもう1周して来てください!」
 私には関係の無いサインでした。おまけにもしペナルティーのピットストップならピットレーンでオフィシャルの指示があるはず。そのことにやっと気づき再びコースイン。随分ロスしちゃった!追い上げなくっちゃ!!
 しかし焦るとちっともいいことありません。次にコントロールタワーの下で私が見たものは、「D−13」…つまり今度こそ私へのドライブスルーのペナルティー!
 ピットレーンでは成田さんが、ピットレーンでのスピード違反が原因であることをダンボール紙に大きく書いて知らせてくれていました。私はわかったと合図しながらドライブスルー。このときも極力スピードは落としていたつもりでしたが、後で聞くと58.8キロ!!制限速度60キロぎりぎり!冷や冷やものでした。

 さらに周回を重ね、スタッフから私へのピットインの指示が!!その頃には水分補給のためのストローが口から外れ、暑さで息苦しくなっていて、私はあと何周走るんだろう…なんて考えていたところです、もの凄く嬉しいサインでした。20周走ってのピットイン。でもそれからまだ一仕事。給油です。運転していたドライバーが給油口を開けるという打ち合わせ通り、ヘルメットをかぶったまま給油口を開け給油の完了を待ちます。暑くて暑くて、ガソリンが満タンになるまでの時間が長く長く感じられました。そしてドライバー交替。美紀代さんが乗り込みイグニションを回します。かからない、エンジンが!皆が見守る中彼女は何度も試み、川西さんが何ともいえない表情で助手席に積んであるコンピューターの方へ。かかりました!!かぶっていたみたいです。送り出した後、私はとりあえずほっとしながら反省。
 美紀代さんはベテランらしく淡々と確実に周回を重ね、ピットイン。耐久レースだからと自己ベストタイムから2、3秒落として走るという、良い仕事をしてくださって、最終の成田さんにバトンタッチ。
 いよいよ最も長い周回が始まります。私がもたもた落とした順位を一気に回復するかのような怒涛の追い上げ。着々と前の車を捉え、そろそろゴールも見えてきた頃。成田さんは11位までアップ。一方相方チームは少し前を行っていて8位。川西さんは刻々と変わるテレビモニターの前で「よし!8位と11位キープや!」と少しほっとした表情でやっと遅い昼食を。

 と、その時!「先生が倒れた!!」広島から応援に駆けつけてくれていた柴田さんが走ってきました。大急ぎで言われた現場の方へ走っていくと、ちょうどヘアピンの手前の芝生に黄色いGOLFが停まっていて、成田さんが車の傍に倒れている姿が見えました。即座に救助隊が出向き、成田さんは医務室へ運ばれました。脱水症状です。
 彼は1時間半走っていて、水分が全く足りておらず、耳が遠くなり、目の前も度々真っ暗になっていたとのこと。でもドライバー交替の時間的ロスを考え、なんとか走りきろうという決断をしたそうです。42度の高熱と高い脈拍。氷で身体を冷やしながら5リットルの点滴。どのぐらい時間がたったでしょう、ピットの片付けもほぼ終わり、川西さんと饗庭さんはフェリーに乗るため一足先に引き上げて、しばらくすると、成田さんが、戻ってきました。復活してよかった。おまけには75周を走り、完走扱いとなる周回の68周をクリアしていたため、賞の対象となり14位。相方チームは最終ドライバー森本さんが無事チェッカーを受け、8位!おめでとう!

 暑い熱い1日が終わりました。本当にレースは楽しい!初めての耐久レースで、想像以上の暑さや水分補給の難しさやチームワークの大切さを体感し、次回のレースへのテーマもできました。みんなとっても仲良くなって、チーム皆が力を合わせて勝ち取るレース、ハマってしまいそうです。相方チームのスタッフの方々(森本奥様、山橋さん、中村さん、奥野さん、福田さん)に感謝です。ありがとうございました。そしてはるばる広島から来てくれたヴェントのレーサー柴田さん、ルポの女性ドライバー平井若菜さん、応援ありがとう!

 ところで、みんなでの協力には本当はもう1つおまけがあったんです。美紀代さんはトイレで汗まみれのレーシングスーツから私服に着替えた際、サーキットのぽっちゃんトイレにご自分の車のキーを落っことしちゃったんです。彼女の鍵騒動が解決するまで、みんなで待って、すっかり静かになったサーキットを後にしたのは午後6時過ぎでした。
お疲れ様…今度はこの同じ美祢で8月24日にGTI-CUP。どんなレースになりますか、お楽しみに!